こんにちは、そしてお久しぶりです!前回は諸事情により筆を進められませんでしたが、今回から復活です!
それにしても今年の梅雨は大変でしたね。集中豪雨に、すごい量のひょう…被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。ここ数年、異常気象と言われ続けていますが、これだけ続けばこの天気が正常となるのでしょうか。
もともと梅雨時期の雨は、稲作の植付け時に必要な水をもたらせてくれることから、日本の米作りには大事な時期でした。米づくりもこの独特な気候風土にマッチするように行われてきました。
少し話は変わりますが、作物における食味を決定付ける気候風土のようなものをフランス語で「テロワール」と言います。このテロワールが、同じ作物を作るにしても、その土地によって異なる特徴(個性)を作りだします。ちなみに「この単語を知っている!」というあなた…ワイン好きですね!折角ですのでワインで説明いたしましょう。
同じ品種の赤ワインでもフランスで作られたもの、チリで作られたものオーストラリアで作られたもの、若干の風味の違いがあります。もっと追求すれば畑ごとにも違いが出てきます。お米も同じ銘柄でも産地や、産地の一部のエリアによって味やブランド価値が違いますよね。これがテロワールです。
しかし食味の善し悪しは、テロワー ルだけではなく、味わう場所も影響を及ぼすのではないでしょうか。これは私の個人的な感想ですが、出張先で地ビールを飲むと美味しいなぁ!とおもえるのですが、購入し、家で飲んでみると今ひとつ何かが違う…きっとその土地の食というのは、その土地(雰囲気!?)だからこそ美味しさが引き立つ場合もあるのでしょう。作物が作られた土地の気候風土だけでなく、その作物を食べる環境も味覚に影響を与え、その気候風土だからこそ、土地に合った食文化が根付くのかもしれません。
さて、今回のGAPについて考えてみましょう。前回は「販売管理体制の実現」から~安定した農業経営~についてでした。
販売管理体制をしっかりさせるには下記の3つが必要でしたね。
1取引先との契約書をしっかり作成する。
2商品の品質管理とトレーサビリティをしっかりし事故を未然に防ぐ。
3万が一、クレームが発生したら適切な対応がとれるよう備えておく。
それでは今回は、「販売管理体制の実現」から~GAPに取り組むメリット~についてです。
GAPを取り入れる事は経営や取引の上でどのようなメリットがあるのでしょうか。
まずは「誰にとってメリットなのか」という事です。これは、生産者にはもちろん販売業者、そして私たち消費者にもメリットが存在します。
それではその中身を一つ一つ見てみましょう。
まずは作る側、生産者のメリットを見てみます。GAPを導入する本人ですので、当然様々な角度のメリットが存在します。
1選ばれる農産物作りのステップとなる。
2作業内容が整理される為、より業務が効率良くなる。
3農業経営を改善しやすくなる。
4クレームなどを減らすことができる。
5万が一、クレームが起きた場合でも、適切な対処ができる。
6安定した出荷先を確保しやすくなる。
7グループ全体の良い物を作るという意識が高まる。
いままで紹介した通り、仮説・検討・実行・修正・記録などを基準に基づいて繰り返す事がGAPです。作業としてはステップアップしなければいけないので当初は大変ですが、このようなメリットが発生します。
それでは、今度は売る人、販売業者のメリットはどのようなものなのでしょうか。
1安定的に農産物を仕入れることができる。
2生産工程が管理されているため、安心して仕入れることができる。
3農業全般に関して、より意識の高い生産者のものを仕入れることができる。
4生産者との間で独自のこだわりをカスタマイズできる。
5万が一、クレームが起きた場合でも対応がしっかりできる。
しっかりした基準に基づいた商品を販売する事は、売り手の「安心」に繋がります。また生産記録に基づいているので「できたもの勝負(プロダクトアウト)」ではなく「お客様の意思を反映した売り方(マーケットイン)」ができるようになります。そして苦情が発生した際も生産側が行程を明確化しているので、すぐに対策を打てます。
それでは、今度実際に購入し、食べる私たち消費者にとってはどのようなメリットが存在するのでしょうか。
1第三者機関が認証した、生産工程管理がしっかりなされている農産物を選ぶことができる。(安心安全につながる)
2生産者(生産グループ)やより確かな産地を知る事ができる。
3間接的に環境問題への取り組みに参加できる。
まず何より「安心・安全」という点です。一般的な青果に比べ、生産体制が明確なので、品質に安心を求める事ができますね。また以前も説明した通り、GAP農業は地球に配慮した農業です。つまりGAPのお野菜を食べる事で、そのお野菜を生産している人たちを通し地球の環境保護に取り組んでいるといえますね。
実際に、JGAPに取り組んでこられた方や、JGAP農場の農産物を仕入れられている方のお話を聞くと、他にもいろいろなメリットがあるようです。
また、消費者のメリットにある「より確かな産地を知る事ができる」ということについては、6月17日「地理的表示法案」が参院農林水産委員会で可決されました。これは、不正な産地表示を防ぎ、品質の特徴を維持する為に制定されました。最初に触れた「テロワール」に通じるところがあるかもしれませんね。
少しでも多くの方、多くの職種の方に、このレベルの高い生産工程管理を実現するGAPの良さを早く知って欲しいです!
次回は、閑話休題です。お楽しみに!!