こんにちは、浜平です。気がつけばもう9月。秋ですね。秋といえば読書の秋、スポーツの秋…みなさんにとって何が一番楽しみですか?私は…やっぱり食欲の秋でしょうか。
日本には四季があることで、食も「旬」という形で何倍も楽しめます!
これは日本ならではの「風情」ではないでしょうか。今年に入ってから農林水産省は、日本の食文化(和食)をユネスコの無形文化遺産に登録しようと提案しました。12月にはユネスコの審査を経て、その可否が決定されるようです。
現在、食文化の無形文化遺産 には、「フランス料理」、「地中海(スペイン・イタリア・ギリシア等)料理」、そして「メキシコの伝統料理」が登録されています。是非、和食・日本食もこの仲間入りをしてほしいですね!
ただ「和食」といっても、何をもって和食というのか…高級な京懐石なのか、寿司なのか、はたまたうどん、蕎麦、ラーメンなのか…以前海外に行った時、赤ちょうちんに「うどん」「そば」 の文字を発見!麺のお店だ!安心して入ろう!と思い店内の様子を見てみると、壁には「焼き鳥」「寿司」「焼肉」「お好み焼き」などB級グルメオンパレードな貼紙が!…大丈夫かなぁと、いっきに不安を感じた経験をした事があります。
これぞ日本食文化!というものを世界の人たちに知ってもらいたいです。
最近、日本食は美味しく、健康にいい、ということで今や世界でブームになっていますよね。各地に日本食店が見られるようになったのはうれしい事です。ここで、日本の農場で育てられた野菜が供されればなおさらうれしいですよね。
ユネスコ無形文化遺産登録が今一度、「和食・日本食」の素晴らしさを再発見するきっかけに なればいいですね!
食べる事が好きなので、ついついオーバーヒートしてしまいました…さて、本題のJGAPに話を戻します!
前回の話題は「PPMってどんな単位?」ということでしたね。私達が普段使っている「%(パーセント)」よりうんと小さな単位です。そしてこの単位に即した厳しい基準で残留農薬の基準値というも のが決められているということでした。 しかしこれだけ厳しい基準値を定めて、それに即して農作物を作っていても時に自分が使っている農薬を管理するだけではその基準を守りきれない場合があるのです。
この問題の大きな原因のひとつが「ドリフト」なのです。
では「ドリフト」とは何なのか。具体的な例で考えてみましょう。
例えば、隣の畑の人が散布している農薬が自分の畑の農産物に付着してしまった、収穫した農産物をトラックに積んで運ぶ時に風に乗った農薬が付着してしまった。このように全く意図していなくても、間接的に起きてしまう農薬飛散(被害)の事を「ドリフト」と言います。
今度は逆の立場を考えてみましょう。自分が使った農薬が、目的以外の他の農産物にかかってしまった。もしくは間違えて自分が他人の畑にかけてしまった。この場合も同様です。せっかく無農薬栽培などで作っても、このような被害を受け、知らず知らずのうちに 出荷してしまってはもったいないです、それに危険ですよね。
では、この「ドリフト」の問題に関してJGAPはどのように対策をしているのでしょうか。どのようにして、食べる人の安全と作る人の安心を守っているのでしょうか。
JGAP農場では、このような被害を未然に防ぐための防止策をとっています。
例えば以下のような対策があります↓
・間違って違う畑に農薬散布しないように、畑ごとに番号や名前をつける。
・風の無い日を選んで散布する。
・飛散防止ノズル(あまり周りに飛び散らない吹き口の散布機)を使用する。
・収穫した物を運ぶ時は、ホロ付き(屋根付き)のトラックで運ぶ。
・隣の畑の人と普段からコミュニケーションをとり、農薬散布に関する情報共有をしておく。
・選果場(農産物を仕分け・箱詰めする部屋)の窓はちゃんと締め切る。開放厳禁!
などなどです。 一口で農薬管理、ドリフト対策とはいっても、いろいろな場面で残留農薬の危険が潜んでいます。 これらを、想像力を働かせて、あらかじめ関係者で検討会を開き、被害、そして加害をも未然 に防ぐ対策を講じ、努力をしているのですね。決して車の横滑り(ドリフト)の話ではありませんでした。(あれ、スベっちゃった!?せっかく本題の前の言葉でも「オーバーヒート」ってかけたのに…)
今回の内容をまとめてみましょう。
えー…はいっ、今回は、いろいろな場面に潜む「ドリフト」の危険について触れてみました! 次回は、~ドリフト対策に見る欧米と異なる農業環境~ということについてお伝えします。お楽しみに!!