いよいよ10月ですね!
食欲の秋、もう新米はお召し上がりになられましたか。南九州の稲作にとって今年は大変な年でした。5月から続く空梅雨、酷暑、水不足…決していい条件とは言えませんよね。しかし、量・質共に良いお米ができましたよ!近年、南九州のお米も徐々に知名度が上がってきました。今年の食欲の秋は南九州産の新米の味と香りを楽しんでくださいね!
さて、前回までは私たちの食の安全、そして農業管理に関わる根本的な考え方に触れてきましたね。その一つが「残留農薬基準」、そして前回まで説明した「ドリフト」の問題などがありました。
それではJGAP農場ではこれらの問題に対応するため、どのような取り組みをしているのでしょうか。対応する方法としましては大きく下の3つに分けられます。
1:リスクを検討する
2:作業記録をつける
3:現場での周知を徹底する
項目ごとに説明しますね。
まず一つ目の項目「リスクを検討する」。これがGAPの重要なところ! どんな事が食の安全を脅かす事故の原因となりうるか?ということを事前に検討することで、事故を未然に防ごう、ということをしています。一般的な農場でも、残留農薬などが見つかったら、生産履歴(帳簿)などを辿って、何が原因だったか追求しますよね。トレーサビリティとも呼ばれています。確かにこれは、JGAP農場も同じ。しかしJGAPでは、これに加え、事前検討を繰り返すことで、より危機管理に徹底しています。これが各農場のルール作りの基礎になるわけですね! この考えはGAPのあらゆる場面で見受けられます。
そしてリスク検討、ルール作りという「スタート」を切ったら、今度は管理を軌道に乗せます。日々の管理の徹底、その一つが「作業記録をつける」です。実際以前では、あまり農場記録というものは付けられていませんでした。しかし最近では農場経営の意識の高まりもあり、日々の作業の記録をつける農場は徐々に当り前になってきました。
この記録の付け方、これについてもJGAPには、決まりがあります。例えば、誰が・いつ・どこに・どれくらいの量を・どの機械で・何のため…、と確実に行程が判るように「必ず記載する項目」を決めています。 また、正確な散布が出来るように「散布機の使用前チェック」や、「機械の整備点検記録」などの記録も求められています。 責任者の元、農薬の在庫数量などもキチンと管理されています。これにより間違いを最小限に抑えることはもちろん、皆さんの「食の安全」を日々、全力で守っているのです。
さて、リスクの検討をしました。記録簿も準備して毎日付けています。しかし農園で働くみなさんが内容と重要性を理解し、実際に行動出来ていなければ意味がありませんよね。そのため農場のルールを周知徹底させる必要があります。 JGAP農場では、各所に注意喚起の貼紙を貼ったり、定期的に座学や勉強会などを行ったりして、最新の情報を収集し、作業者全員の意識を高めています。
農薬管理と一言に言いましても、あらゆる角度から事故を未然に防ぐ努力をしています。 そして、この精度を日々高めるような努力をし、みなさんにおいしくて安全、安心なお野菜を提供する、その努力を誠実に繰り返している農園こそがJGAP農場なのです。
今回は、「〜JGAP農場の農薬管理ってどんな取り組みをしているの?〜」ということについて触れてみました。 次回は、もうちょっとラフな話題に触れてみますね。次回もお楽しみに!!