みなさんこんにちは!まだまだ寒い日が続きますね。大寒を過ぎ、2週間後は立春。暦の上ではもうすぐそこまで春。私が住んでいる鹿児島では、例年になく温かい正月で、初詣もコートなし、ジャケット1枚で行けました。この暖かさに油断して、お正月三日間が過ぎたらまた寒さ!ついつい風邪をこじらせそうになりました…。この時期の寒さには油断大敵!みなさんも気をつけてくださいね。
ところで、「鹿児島の3S」ってご存知でしょうか!?
この3S、「桜島、焼酎、西郷さん」らしいです(私も最近知りました(笑))。
このうちの一つ、鹿児島のシンボル桜島、つい先日大正噴火から100年ということで記念行事が行われました。この大正噴火はものすごい大きな噴火だったそうです。海に浮かぶ桜島が大隅半島と陸続きになったばかりでなく、大隅方面では2メートルもの火山灰が積もり、若干離れた鹿児島市内でも50センチ程積もるところがあったとのことです。
この大正噴火の灰、遠くは、大阪、名古屋東京を超え、ロシアのカムチャツカ半島まで届いたそうです!なんと1000kmを超える旅…そして今後100年以内に、同じ規模の噴火が起きる可能性があると言われています。実際、ここ4年間桜島の噴火は毎年800回を超えています。昨年も上空5000メートル級の噴煙が上がった大噴火がおきました。このような中で、鹿児島の生産者様は、火山灰と闘いながら農業を営んでいます。
さて、この火山灰と闘う生産者様が向かい合うもう一つ真剣な問題、それは「水」の問題です。
前回は「2014新春特別号」ということで、有機農産物について触れましたが、今回からは本題のGAPにもどります。今回は「水の安全性」について触れてみましょう。 農業の現場で水はあらゆるところに存在します。生産の面で考えると、液体肥料を使う時に希釈する為に使う水。潅水用(畑に撒く)の水、農産物を洗う水…。生産で使う水以外でも、隣の畑や周りの土地から流れて入ってくる水、畑の近くを通っている生活排水、自分の畑から流れ出る水まで。水は農業のあらゆる場面に存在し、いろいろな場面で問題になります。では、その問題を一つずつ見てみましょう。
ますは「水と農産物の安全」という視点で見てみましょう。ここで特に重要なのは、最後に農産物を洗う水です。私たちの口に入る食品を洗う水、この最後に農産物を洗う水が、化学物質に汚染されていたり、病原菌などに汚染されていたりしたら…大変なことになりますよね!この予防にもGAPの考え方は活かされています。肥料や農薬の時と同様、いろいろな観点からリスク検討して、その対策を行わなければなりません。詳細は割愛しますが、この最後に農産物を洗う水には、年に一回、水質検査を行い問題がない事を確認しています。
次に「生産工程と水の関係」を考えてみましょう。農業の現場(農場)でも水について気をつけなければいけない事はたくさんあります。例えば、近くに下水道などがある場合、生活排水が流れてこないか(染み込んでこないか)。他にも牧場の近くだと、硝酸や大腸菌などに汚染された水が流入する恐れはないか、など検討します。また、意外な盲点が以前説明したドリフト、つまり期せずして他の農場から「望まないもの」が来てしまうケースです。例えば、雨が降った時、農薬を散布したばかりの隣の畑から、自分の畑に流れてくる水が作物の生育や安全に影響することも考えられますよね。ここでもリスク検討と個別対応を考え、実行し、効果を測定します。実際に農業の現場ではあらゆるリスクが考えられます。自分はがどんなにしっかり管理していても、ドリフトのように思わぬ被害を受ける可能性も潜んでいます。JGAPは、このような安全性に関するリスクを前もって検討し、対策を立て、実行する事で、食にも土地にも安全な農場運営を幅広くカバーしようとしています。
今回は、「水の安全性確保の為に」という話題に触れました。次回は、「土の安全性」にフォーカスします。 お楽しみに!!