こんにちは!いよいよ新緑が目に鮮やかな、薫風の季節ですね。「夏も近づくは〜ちじゅうはちや♪」、目前となった5月2日は八十八夜、過ぎれば暦の上ではもう夏です!?
そして八十八夜と言えば茶摘みですね!
鹿児島では、4月上旬から一番茶の茶摘みが始まり、1カ月程続きます。温暖な土地のため、全国で一番早く「一番茶」の収穫が始まります。勿論摘まれたままではまだ「葉」ですから、生葉はすぐに蒸し機にかけられ、何度も揉み機にかけられ、乾燥されて「荒茶」という私達が知っているお茶の状態になります。この状態でも飲めなくはないのですが、さらに専門のお茶屋さんに運ばれ、たくさんの種類のお茶からいくつかをブレンドし、場合によっては火にかけられます。これらの行程を経て、「仕上げ茶」となり、私たちの手元に届くんですね。
今年も天候に恵まれ、爽やかな香りの美味しいお茶が出来ています。この季節に新茶をいただくと「はぁ、日本人で良かったなー」と思います。(笑)今年の新茶は飲まれましたでしょうか?生産量では全国第二位、味は(私としては)第1位の鹿児島茶、是非初夏の味をお召し上がりください!
さて、前回は「産業廃棄物(ゴミ)」についてでしたね。振返ってみましょう。農場ではいろいろなゴミが出ます。そしてそのゴミに対してはこのような対策を考えていました。
1どんなゴミが出るか把握する。
2ゴミの一時保管の仕方を決める。
3リサイクルできるものはリサイクルする。
4周りの環境に影響が無いか確認する。
つまり、ゴミが出てから処分するまで対策を検討し、管理することで、安全かつ可能な限り衛生的に処理をしているということでした。
今回は、農業の同居人でおとなりさん、動・植物について考えてみましょう。
身近な農地を想像して下さい。広がる自然の中に整った畑、すぐ近くに雑木林があり、川が流れていたり・・・。聞こえる鳥の鳴き声に、モグラ、魚などいろいろな動物たち。和やかで美しい風景ですね。私たち人間同様、動・植物も自然の中で生きており、その自然の中でバランスのとれた生態系を維持しようとしています。私達人間の食料生産は、彼らの住む自然の一部を「借りて」成り立っています。地球という大家さんのもと彼らは同居人であり、おとなりさんなんですね。
さぁ、大切なおとなりさんです。動・植物に一切影響を与えずに農業をしようとするのは理想です。しかし、やはり一緒の場所をシェアしている以上、「全く影響を与えない」というのは不可能でしょう。では、仕方ないから好き勝手やって良いのか、というとそんなわけはありません、最小限にとどめる努力をしなければこのバランスのとれた生態系を壊すことになります。同居人に迷惑をかけるだけではなく、いつか私達自身の生活に悪い影響を及ぼしかねません。「保護」という言葉はおこがましいのかもしれませんが、守りながら生産を行わなければ行けません。
では、実際GAP農場ではどのように取り組んでいるのでしょうか。まずは、GAPの基本中の基本、「現状把握と対策」です。具体的にはこのようなステップが考えられます。
1自分の農場の周りに、どの様な自然がありどの様な生物がいるのかをリストアップします。
2次に、それらの動・植物が農作業にどう影響するか考えます。農作業に問題ない動物もいれば厄介な動物もいます。
3そして、出来るだけ動・植物を保護しながら農業生産をするにはどうすればいいか対策を検討します。
他にも、環境を保全する為の新しい知見を得る為、いろいろな講習会に参加する方もいらっしゃいます。また、地域の環境保全に関する取り組みに参加することも大事ですね。
一つ事例を挙げますね。トマトなどビニールハウスでの果菜類の栽培では、受粉をするのに蜂を使います。この時に使うことがあるのが、「セイヨウオオマルハナバチ」。
セイヨウ、西洋?話題の「外来種」となるわけです。ザリガニや魚で話題となりましたが外来種は、もともと土地にいた在来種の生態系を壊す恐れがあるものもあります。それは蜂でも同じです。ではどう扱えば良いんでしょうか。まず、このような外来種の特殊な蜂は行政の許可を得ます。そしてビニールハウスの外に出ないように飼養しないといけません。動・植物の保護といっても多種多様です!
さて、以前このコラムでも話したことなのですが、ヨーロッパではこの「GAP」などの認証をただ安心安全な作物の目印としているのではなく、環境保全に積極的に参加する意味で、認証農産物を選ぶという方が多いんです。GAPが普及し、価値を理解され手にとってくれる方が増えることで、動・植物を含め自然と共存し、自然と一緒に続けられる、つまり「持続可能な農業」が広がることを願っています。
是非ともGAP農場の農産物を選んで、環境保全に参加してみてください!次回は、ちょっと休憩して閑話休題、内容は…乞うご期待!!